大学デビューしたい大学生の日記

トビタテ生の間ではマンゴーと呼ばれています。モテそうでモテない大学生がネット上につらつらと誰のためでもなく自分のエゴのため、せっせと何かを生産して参ります。

【Q.え、トランプ詐欺なんか本当にあるの? A.本当にありました。】(体験談)

f:id:wonbadman:20161011232158j:plain

「空が泣いている・・・。」と、僕は待ち合わせの場所で詩人の様に黄昏ていた。そう、9月10月のカンボジアは雨期で1日に必ず1回はバケツをひっくり返したような雨が降るのである。それが原因で、道がプールの様に氾濫することも多々ある。

 そんな話はさて置き、本日お会いするのは友達のMさん。カンボジアで一度トランプ詐欺にあいかけたそうだ。「そんな詐欺があるなんて感じたことないけど、本当にあるのかなぁ・・・。」そんなことを考えていると、Mさんがいつもの素敵な笑顔で現れた。

 

Mさん:こんにちは、本日はよろしくお願いしますね。

 

かじ:こんにちは、改めて挨拶すると何か照れますね。(笑) よろしくお願いします!

 

ーーートランプ詐欺とは?

かじ:まずお伺いしたいのですが、トランプ詐欺のことを簡単に説明して頂けますか?

 

Mさん:簡単に言うと家に誘ってカジノを一緒にやり、お金を巻き上げる詐欺です。私みたいな被害者を出さないため、順を追って説明していきますね。

 

―――きっかけは日本人が多く集まるスーパー

Mさん:あの日、私は日本人が多く集まるスーパーでアイスを一人で食べていました。すると、にこやかに英語で話しかけてくれたマレーシア人がいたんです。その時私はカンボジアに来たばかりで現地の友達が少なく、素直に嬉しかったのですぐに打ち解けました。

 

そして一通り盛り上がった後に、急にディナーに招待してくれたんです。「これから一緒にどう?伝統的な料理を振る舞うよ!」と。

 

かじ:確かに来たばかりで孤独を感じてる時、日本語を話してくれる友好的な人がいると安心しますよね。

 

Mさん:そうなんです、それで私は車に乗って一緒に家に向かいました。

 

―――突然現れたカジノのディーラー

Mさん:そこで私はディナーを一緒に食べ、彼らととても仲良くなりました。すると、ある一人が「今からカンボジアベトナムの国境付近でカジノのディーラーをやっているおじさんが帰ってくる。」と突然言い出したんです。

 

かじ:え!それはもう確実に詐欺の臭いがしますね。

 

Mさん:今思うとそうですね。(笑) ただその時は「へー、そんな人いるんだ。」ぐらいにしか捉えていませんでした。それで、そのおじさんが帰ってくると、色々とカジノのことについて話し始めました。

 

初めは普通にゲームのルールなどを説明してくれていました。しかし、ふいに「カジノで絶対に勝てる方法がある。君にだけは教えてあげるよ。」イカサマの方法を話始めたんです。

 

かじ:ついに来ましたね。

 

Mさん:はい、そして「これからブルネイの実業家の大金持ちが来て一緒にゲームをやるから、今教えて上げた方法でやってみない?絶対勝てるよ。賭け金は僕たちが出すから。」と言われました。その時私は、「なら別に私のお金が減るわけじゃないしいっか。」と思い簡単な気持ちで承諾しました。

 

―――連戦連勝のゲーム

かじ:それでブルネイの人は来たんですか?

 

Mさんブルネイの人かは分かりませんが、来ました。アラブの石油王みたいな金ぴかの服に、ゴージャスな金のネックレスと指輪をじゃらじゃら付けて。今思うと笑い話ですね。(笑) そしてゲームを初めて、しばらくはイカサマの方法を使い勝ち続けました。

 

―――書かされる証書

かじ:あー、もう続きを聞くのが怖いです。

 

Mさん:ここからです。私たちはゲームを数十回繰り返しました。すると、ゲームに負けるたびに自称実業家の彼はどんどん賭け金を増やすんです。ゲームのルール上私も同額を払わないといけないのですが、その時私の手持ちは預かったお金だけで全く賭け金には足りない。だから、負けたらその賭け金を必ず払うという証書をゲームごとにサインしました。

 

すると、最後のゲームになる時に、自称実業家が言ったんです。「君は今証書を書いてるけど、もし今負けたらお金を本当に払えるのか?」と。つまり、“私はゲームのたびにお金を現金で全て用意しているのに、あなたはただ証書を書いているだけだから不安になった”という名目で、私に質問してきました。

 

―――バイクで連れまわされた

Mさん:彼からお金のことを聞かれた瞬間に、私は自称カジノのディーラーのおじさんに呼び出されました。そして、こう伝えられたのです。

 

「まずいことになった、恐らく彼に私のイカサマがばれてしまいもう通用していない。今負けると私たちの全財産が無くなってしまう。だから、Mのお金を貸してくれないか。」と。

 

かじ:うわぁ・・・

 

Mさん:ただその時私は幸いなことに現金は15ドルしか持っていませんでした。しかし、クレジットカードとキャッシュカードは持ってたんです。だから、彼らは私を無理やり外にだし、ATMまで一緒に連れていかされました。もう半泣きでしたよ。

 

―――トライ&エラー~不幸中の幸い~

かじ:それからどうなったんですか?

 

Mさん:まず初めにATMの前に連れて行かされ、無理やりお金を卸そうとされました。しかし、たまたま海外出金の上限金額が0円になっていたため、8回ほど繰り返した後諦めていました。エラーの連発でしたからね。(笑)

 

キャッシュカードが使えないと悟った彼らは、クレジットカードを使ってiPhoneを買いに行こうと言いました。iPhoneなら現金を持ってることの証明になるからと。今思うと後で転売したいだけでしょうが。しかし、たまたまクレジットカードも海外で使えない設定になっていたため、同様に使用できずに諦めていました。

 

かじ:本当にラッキーだったんですね。

 

―――ついに詐欺だと気付いた

Mさん:そうですね、本当に偶然ですが助かりました。それで諦めた彼らは、「もう私達で何とかするから良い!」とやや怒りながら最初のスーパーまで連れて行ってくれました。

 

かじ:暴力などは振るわれなかったのですね。無事に帰ってこれて本当に良かったです。

 

Mさん:私もすごくそう思います。でもその時は彼らを助けられなかったという思いがあって、すごく悲しかったのを覚えています。だから、親に電話しました。「こういうことがあって彼らを助けられなかった、どうしよう。」と。

 

かじ:でもご両親は気付かれたのではないですか?

 

Mさん:その通りです。すぐに「そんなん詐欺に決まってるやん!何馬鹿なこと言ってるの!」と言われました。そこで、「あぁ、これがトランプ詐欺だったんだな。」って初めて気付きました。(笑)

 

―――海外では注意することがマスト

かじ:まぁそうですよね。(笑) 本当にご無事で何よりです。被害にあわれたMさんだからこそ伝えたいことというのはありますか?

 

Mさん向こうから話しかけてくる人には注意した方が良いということですね。こちらから話しかける分には問題無いのですが、特に日本人が良く集まる場所で向こうから話しかけてくる場合は注意が必要だと思います。

ですが、みんながみんな悪い人ではないです。基本的にカンボジアの人は笑顔で話しかえれば笑顔で返してくれるし、困ってると言えば助けてくれます。正直どこの国でもこの様な詐欺はあることだと思うので、カンボジアだから悪いと一括りにはして欲しくないです。

だから、ひっかかった私が言うのもあれですが、どこにいても注意力が大事だということですね。

 

かじ:確かにどのカンボジアのガイドブックにも今仰ったようなことが書かれていますもんね。これからの生活では気を付けていきます。本日はありがとうございました!

 

「やはりここは日本ではないんだ・・・」お昼を食べて瞼が重くなっていたが、話を聞いている間にその眠気は吹っ飛んでいた。加えて、海外にいることをしっかりと意識させられる、そんな時間だった。